第13章 〜13〜

「様」

「ん？なに？」

「家康様と様にお付の女中の方は、お知り合いなのですか？」

「あー、優鞠？」

「優鞠さん、とおっしゃるのですね」

「うん。あの2人……知り合いだと思うんだけど、優鞠の方はそうじゃないみたいな態度なんだよね。家康は優鞠の事知ってるみたいだったけど。」

「そうですか……」

「何かあった？」

「先ほど、様が政宗様に連れていかれてしまった後、家康様が優鞠さんと何処かへ行ってしまわれたのです。」

「えぇ？」

「話がある……とかで」

「ふぅーん……そうなんだ……」


私は優鞠が少しだけ心配になったが、家康が優鞠の嫌なことはしないだろうという謎の根拠があった。


(何の話か気にはなるけど……優鞠教えてくれるかな)


後で少しだけ聞いてみようと心に誓った。





「ご馳走様でした。三成くんお待たせ」

「いえ、とんでもない。では参りましょうか」

「うん。案内お願いします」

そう言って立ち上がり、2人は食事場を後にした。