第13章 〜13〜
「政宗様、どうなされたのでしょう?」
「さあね」
「???」
三成は頭を捻った。
「……では、私は失礼致します。」
「ええ、ご苦労様です」
優鞠はが行ってしまったので、自分は昼餉の下膳を手伝おうかと、仕事に戻ろうとした時。
家康は三成のいる手前、声を掛けるのは多少気が引けたが、今声をかけないと後悔すると思い優鞠に話しかけた。
「……ねぇ」
「……?はい、なんでございましょう」
「話したいことがあるんだけど」
「では、様に、そうお伝えしておきます。」
「……違う」
「??」
「俺はあんたと話がある」
「私と……ですか?」
「そう。」
「……私、なにか家康様に対して無礼な事を……」
「そうじゃなくて。……優鞠に、聞きたいことがあるんだ」
「私に……ですか?(なんで家康様が私の名前を……さ……に聞いたのかな)」
優鞠は家康の真意がわからず、首をかしげながら家康を見た。
「……場所変えるよ」
「えっ……」
家康はそういうと、歩き出した。
数歩歩き、振り返って優鞠に言った。
「……着いてきて」
「……はい。三成様、失礼致します。」
優鞠は、三成に頭を下げると、慌てて家康の後について行った。
「政宗様も家康様も一体どうなされたんでしょう?」
残された三成は、訳が分からずひとり立ち尽くした。