第13章 〜13〜
「政宗様に家康様、ここで何をなさってるんですか?」
襖の前で立ち聞きしていた男2人は、それぞれに考え込むのに夢中で、背後に現れた三成に声をかけられるまで彼の気配に気がつくことが出来なかった。
「……別に。」
「ああ、俺は昼餉の支度が出来てるのになかなかが来ないから迎えに来ただけだ」
「そうですか」
2人はいくら城内とはいえ、武士の癖に背後に近づく気配に気が付かなかった自分は、どれだけ女の事で頭がいっぱいなんだ……と、自分の未熟さに内心笑ってしまった。
「そういう三成こそどうしたんだ?」
「様をお誘いに上がったのです」
「誘い?」
「ええ。安土城を案内してさしあげようと思いまして。昨日は到着してすぐ宴で、その時間がありませんでしたので」
そういうと三成はにっこり笑った。
「「…………」」
騒がしくなった廊下に首をかしげつつ、私が襖を開けると、妙な雰囲気の3人が立っていた。