第3章 〜3〜
目が覚めると床の上で寝ていた自分に驚いた。
(ここどこ……病院……じゃないよね……生きてる……?)
ゆっくり起き上がると、周りが煙に巻かれていることに気がついた。
(なにこの煙……火事……??なんで……?ってかここどこ!)
「だ、誰か……!!!」
声に出して助けを求めるが辺りに人は見当たらない。
(本当どこなのここ!)
辺りを見渡してみると、奥に人が座り込んでいるのが見えた。
(誰かいる……けど……あれ生きてる??)
遠目から見て、全く動かないその人を心配しながら駆け寄ろうとしたその時。
その人に歩み寄る影が見えたので動きが止まる。
(……何してんの……逃げないの……?って……着物着てない……?)
歩み寄る人の手には、長い槍のような棒。
その棒を、座って動かない人に思い切り振り上げる。
(え、ちょっと待って……何してんの……)
そして振り上げたままその男は何かを座り込んでいる男に話しかけているが、聞き取れない。
(とりあえず座ってる人……危ない……?助けた方が……)
駆け出そうと1歩踏み出した時、床板がギィと鳴った。
その音に気がついた、立っていた方の男がそのまま立ち去って行くのが見えた。
(どういうことなの……)