【ONE PIECE】アイサレたくない恋【サッチ】
第7章 Cherish➤Precious
世の中の恋する女性は恋人が浮気してるか、とかちゃんと好かれてるのか、だとかの不安を持っているらしい。
誰が"アイサレル"のが怖いと言うだろうか。
"愛される"のは最大限の幸福だという。
私はいつ"アイサレル"かが不安で仕方ない。
そのくせ今のこの幸せを手放したくない。
これからも恐れながらサッチと付き合っていかなきゃならないのだろうか。
「そんなの、嫌だなぁ」
いずれ温度差に罪悪感を感じ始めるかもしれない。
そうしたら別れなきゃ。
彼のためにも、私のためにも、これは仕方の無いことで、弱い私のせいだ。
…でも、別れたくないなぁ。
「なーに泣きそうな顔してんだ?」
「してる?」
「してる。自覚ないのか?」
このままじゃどの道駄目だと甲板を離れ降りる事にした。
「どっか行くなら着いてっていいか?」
「食べ物屋さんは行かないよ?」
「わかってるって!」
腕を掴んで走り出したエース隊長のあとを転びそうになりながら頑張って着いていく。
ずっと笑顔で、ちょっと羨ましい。
きっと悩んでることはたくさんあるだろうに。
「で、どこ行くんだ?」
「わからないのに引っ張って走るとこ尊敬する」
嫌味を込めて放った台詞は意味が捻じ曲がって伝わり、彼は照れくさそうに頭をかいている。
「頭お花畑かよ」
「お花畑?どこにあんだ?」
「…ショートケーキだった」
「ショートケーキ?!」
「おやつは帰ってサッチの食べよ、ほらこっちー」
相変わらず食べ物には見境なくくいつく。
そういうの全部ひっくるめてエース隊長で、最後に笑顔。
「どこ向かってんだ?」
「宿」
「はっ?」
「やだ勘違いしないでよ?知り合いがいるから様子見に行くだけ」
突然赤くなった彼はやっぱりどこか子供っぽくて笑ってしまう。
あれ、そう言えば私よりも年下じゃん。
その歳で隊長ってことは凄いんだろうなぁ。
予め調べていた情報のとおり、両親と彼女が泊まっている部屋は最上階だったので近くの木に登って会話を盗み聞きする。
隣のエース隊長は暇そうにしながらも黙っていて、私が何をしているのか気になっているようだった。
「何を言っているの?」
タイミングは最高、どうやら話し合いをしているようだ。