【ONE PIECE】アイサレたくない恋【サッチ】
第7章 Cherish➤Precious
窓から少し離れた位置にいるので様子は見れないが、母親の声は震えていた。
「ですから、私は本当に、娘…なのでしょうか?」
「あ、当たり前じゃない?あなたは私のアイスル娘じゃない」
「愛する娘…」
「そうよ、そうなのよ、ねぇなまえ、一体どうしたの?何かあったの?」
「いえ…」
「お願いよ、私から離れていかないで。アイシテルの、アイシテルのよ」
「お母様…」
「ねぇあなたからも何か言ってちょうだい」
ずっと黙っていた父親に話をふる。
彼女のことをどう思っているのだろうか。
忌み嫌っていた"ワタシ"の成り代わりを…。
「私たちのアイスル娘よ、何を言っているんだい」
ー愛してる?馬鹿を言うんじゃない
「お前なまえ、私と妻が生んだ子どもじゃないか」
ー不倫相手とできた子どものくせに
「自信を持って生きなさい」
ー生まれなければよかったのに
「…違う」
「なまえ?」
"ワタシ"は"アイサレ"ていた。
"アイサレ"ていないのは私だった。
「何が違うの?」
「おい、どうした?」
「ねぇ、何が違うっていうの!同じじゃない!顔も、服も、髪色も、声も全て!」
「なまえ」
「私の何が駄目なのよ!」
「なまえ!」
「教えてよ…エース隊長…」
結局私はアイシていたのだ。
アイサレてないのにアイシてしまったからいけなかったのだ。
「なまえ、俺はお前を家族として"愛してる"よ」
「あい…して」
「お前はきっとわかんなくなっちまったんだろうな」
「私、は…」
「覚えろ、"愛する"ことを。それは"アイスル"のとは違う」
彼が今のくだりで何を理解したのわからない。
全てを知ったのかもしれないし、勘違いしたのかもしれない。
それでも、彼は、エース隊長は、確実に私の欲した答えをくれたのだ。