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【ONE PIECE】アイサレたくない恋【サッチ】

第8章 Darkness➤Brightly



考えて、考えて、考えて。

わかんなくなって、悩んで、また考えて。


思考を放棄するのは簡単だ。


こっそり自分の部屋に戻ろうしたけれど、如何せん我が家は広く人も多い。

話したことがないだろうクルーに見つかり、人差し指を立てたものの奴は叫んだ。

「おはようなまえちゃん?」

「あ、あの…おはようサッチ」

「言いたいことは山ほどあるがな、オヤジが呼んでるよい」

「行ってきます…」

足取り重く船長室をノックすると意外にも返ってきた返事は普通で拍子抜けする。

一日ぶりに見たおねーさんたちは笑顔で手を振ってくれて、疑問に思いながらも振り返した。

「わだかまりは取れたか、娘よ」

「え」

「サッチの奴が昨夜ここに来てな、待ってほしいと言ってきやがった」

「どうして…」

「惚れた女には敏感なもんだ」

豪快に笑ったオヤジは酒を持ってない手で頭を撫でる。

罪悪感と幸せと恐怖とを、考えて、やめた。


私は彼に、サッチに"愛され"たい。


「ありがとう、オヤジ」

「礼を言う相手が違うだろう」

「そうだね」

「もう休め。今夜は騒ぐぞ」

「新しく入ったクルーの歓迎会があるのよ」

「へえ、じゃあ弟だ!名前は?」

「ええと…何だったかしら」

白ひげ海賊団は大規模な家族で、全員の名前と顔を把握することは不可能に近い。

仕事は全て体内で割り振られるため日中の隊単位の交流は無いに等しかった。

それでも船内ですれ違えば言葉を交わすし、宴ではぐちゃぐちゃになる訳だが。

特にナースは怪我人のみの対応となりよく訪れるクルーしか覚えることはないはず。

「ああ、そうよ思い出したわ」

だからこそ、驚いたのだ。

そしてその名前は記憶に残ることとなる。

「ティーチって子よ」
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