【ONE PIECE】アイサレたくない恋【サッチ】
第4章 Unknown➤Known
次に目を覚ました時頭を撫でてくれていたのはおねーさんで、思わず頬が緩んだのを見たあと、目頭に触れてもう大丈夫ね、とは微笑んだ。
いつの間にか着替えも済まされていて、不思議だと患者服をつまんでいると、服が血だらけだったから怪我してるのかと驚いたのよ、と違うおねーさんに笑われる。
だからサッチ驚いていたのかな。
マスターに似て過保護な面がある気がする。
たちまち見覚えのある隊長さんたちが現れて騒いで怒られていたけど、それを笑えるくらい私の中に恐怖はなくて、マルコ隊長がほっと息を吐いているのがわかるほど視野も広い。
「力の使い方は俺たちが教えてやるよい。スパルタだがついてこれるか?」
「うん、よろしくお願いします」
「まずは基礎体力からだな」
「あ、着物の隊長さん!抱きとめてくれてありがとう」
「イゾウだ、気にすんな。可愛い妹の顔に傷なんざ残したくねぇしよ」
「たしかに可愛い妹だけど、修行は別だからね」
「変な服の」
「ハ、ル、タ!いい加減隊長の名前くらい覚えたら?」
「ごめんなさい…おねーさんたちの名前は言えるんだけど」
「えっこの数?それはそれで凄いな…」
綺麗な笑顔で凄まれ慌てて言い訳をするハルタ隊長は可愛らしく、負けまいと対抗心を燃やしていたところに、懐かしい感覚。
こちらを向くわけでもなく、ただ頭を撫でてくれるだけ。
どうしてか心地よくて、ゆっくりと目を閉じた。
なんだか二人だけの空間みたい。
「サッチ、ありがとう」
「どうした?」
「これが言いたかったの」
「はは、いいってことよ。大事ななまえを助けるくらいだなぁ」
「髪の毛」
「…ん?」
「髪の毛」
やっとこっちを向いた。
手を伸ばして、いつもしてくれるように私も頭を撫でる。
「ありがとう」
明状しがたい表情をしていたのが腑に落ちなかったけど、初めての行為に思考がすべて持っていかれて、マルコ隊長が静かに憐れむような視線を向けていた理由も考えるのをやめた。