第2章 男花見
「おい、千鶴!何してんだ!」
「あぶねえから、こっち来いって!」
「そいつらのわけの分からない斬りあいに巻き込まれるぞ」
新選組が声をかけているのに対して、千鶴は笑顔で返した。
「大丈夫だよ。風間さん、斬りあいはしないって言ってるし。今日は、大丈夫」
「ふっ、さすが我が嫁だな。俺の気持ちを読み取ることが出来るとは・・・」
「私、風間さんのお嫁さんじゃありませんから・・・」
千鶴が困ったように言うと、風間は一人で「照れずともよい。お前はこの俺に・・・・・」と一人で自分の嫁について語りだした。
その中、不知火と天霧は、新選組が座っているあたりに腰を下ろす。
「わりいな。うちの馬鹿が馬鹿なことしちまって」
「良いって事よ!今日くらいは、一緒に飲み交わそうぜ!」
「すいません。元々、このような予定ではなかったのですが・・・」
「まぁ、風間だからな・・・」
二人は新選組幹部と、一日くらいはということで飲み始めていた・・・
舞い落ちるは桜の花びら。
桃色の花の中で、千鶴は一人考える。
(こんな日も楽しいな・・・)
桜の雨はやむところを知らず、木の下で騒ぐ人たちの上に舞い降りる。
まるで、この場所だけを世界から切り離そうとしているかのように・・・