第2章 男花見
「そ、その声は!」
声のしたほうに顔を向けると、そこには三人の男が立っていた。
「久しぶりだな。我が嫁よ。相変わらず、そのような連中と共に行動をしているのか」
「風間!」
自信ありげな顔で顔で微笑する、風間の横で不知火と、天霧はため息をついた。
「ったく、今日くらいは、来なくてもよかったんじゃねぇか」
「同感です。きっと、自分と花見はしてくれないからやきもちを焼いてるんですよ」
二人は呆れたようにブツブツといっていた。
「あいつら、大変そうだな。」
「確かにな・・・、少し同情する」
先ほどまでどんちゃん騒ぎをしていた原田、藤堂は哀れんだ視線を、不知火、天霧に向けた。
「てめぇら!なんのようだ!」
「俺は、この桜の中で斬りあいをするほど野暮な男ではない。何、ここで新選組幹部の連中が花見をしていると聞いてな。ならば、俺達もと思って・・・」
「台詞だけ聞くと、かなり悲しい奴だよな」
「上から目線で言ってるのが、さらに悲しいですね」
横で風間の発言に対してブツブツ言っているのが気に入らなかったのか、風間は二人に向けて刀を向けた。
「貴様らいい加減にしろ。貴様らは、いったい誰の味方なのだ」
「風間ではないよな」
「そうか。まずは貴様からだ、不知火」
そういって、風間は不知火に向かってまっすぐ刀を振り下ろそうとしたが・・・、自分の前に目当ての少女が立っているのを見て、刀を止めた。