第4章 バトルロワイヤル雪合戦
「平助と左之さんはともかく、土方さんと一君は言っても参加してくれなさそうだからね。特別ルールを作ったんだ」
「特別ルール?」
「最後まで残った勝者は千鶴ちゃんからチューをもらうことが出来る。」
その発言に、4人は目を見開いた。
「お前・・・それは・・・」
「雪村に許可も取っていないだろう」
「千鶴からの・・・キス・・・」
驚きながらも4人は少し頬を緩め、沖田はその4人の様子をニヤニヤと眺めている。
「どうします?千鶴ちゃんなんて無理を言えば、大抵の事は聞いてくれますし。後から言ったら、千鶴ちゃんだって聞いてくれますよ
」
5人は少し悩んだが、千鶴のキスなら・・・・と、そのバトルロワイヤル雪合戦に参加することを決めた。
「千鶴ちゃん、僕達は全員参加するから、君も参加しなよ。君一人だけ仲間はずれだと寂しいでしょ」
「え・・・、でもあたしは皆さんと違って力も無いですし、皆さんのご迷惑になると思うんです。ですから、私は遠慮させて「やるよね千鶴ちゃん?」・・・はい・・・」
こうして、千鶴も半ば無理矢理参加することを決められたのだった。
(本当は千鶴ちゃんは参加する必要は無いけど参加させたほうが面白そうだしね。色々と)
剣道部のメンバーは、中庭の中心に集まっている。その手には雪球が握られていた。
「では・・・よーい、スタート!!」
大きな掛け声で、千鶴以外の5人は一斉に投げ出す。しかし、誰一人雪玉を千鶴に向けようとはしない。その隙に、千鶴はこそこそと中庭から離れていった。
「はぁ・・・何でこんなことになってるんだろう・・・」
千鶴はため息をつきながら、体育館裏の地面に座り込む。
今日は雪が降って、みんなのテンションがおかしいんだろうかと、本気で考え始める。
と、そこに・・・
「お、千鶴じゃん」
「へ、平助君!?」