• テキストサイズ

薄桜鬼-短編-

第4章 バトルロワイヤル雪合戦


千鶴は慌てて立ち上がり、その場を離れようとする。


「お、おい!何で逃げるんだよ!」

「平助君、私にぶつけに来たんじゃないの?」

「誰が、千鶴にぶつけるかよ。中庭での争いがだいぶヒートアップしてきたから逃げてきたんだよ。皆、熱くなりすぎて目的を忘れてるんだよな・・・」

「目的?」

平助の発言に千鶴は首をかしげる。


「あ~!いや!何でも無い!聞かなかったことにしてくれ!」


慌てて言った平助に千鶴はとりあえず頷いておいた。
それから2人で談笑をしていると、背後に恐ろしい視線を感じる。そっと振り返ると、そこには雪まみれになった斎藤と土方が立っていた。


「土方先生に斎藤先輩!どうされたんですか!?その格好」

「2人を見るだけでどれだけの激戦だったか手に取るように分かるよ・・・」


千鶴は慌てて自分が持っていたハンカチを2人に差し出し、平助は呆れたように言った。


「平助はさっさと中庭から出て行ったようだからな。俺たちがどれだけ苦労してここまで来たか・・・」

「原田はともかく総司をまくのは大変だった」


2人はブツブツ呟きながら千鶴から借りたハンカチを使い体についていた雪を払っていった。
/ 17ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp