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薄桜鬼-短編-

第4章 バトルロワイヤル雪合戦


土方は大きくため息をつく。練習をさせなければいけない立場の教師が一緒になって遊ぶとはどういうことだと、土方は大きく頭を抱えた。


「そんなことより土方さんこんな日こそ、充実した部活を行いません?」

「そう思うなら、さっさと道場に行け。こう話している今も、充実した部活が出来る時間が失われているんだよ」


沖田の提案に土方は怒気の孕んだ視線で睨み顎で道場をさした。


「少しくらい僕の話聞いてくださいよ」


少し拗ねたような口調で言う沖田に、土方はため息をついてから、話だけ聞いてやろうと「話してみろ」と言った。
しかし、沖田は「全員そろったほうが面白いから」と言って、斎藤と原田が戻ってくるまで待つことになった。


しばらくして斎藤と原田が戻ってきて沖田はその練習内容を説明した。


「せっかく今日は雪が降っているんですから、それを利用した練習をしましょう!」

「雪を利用した練習?」

「その名もバトルロワイヤル雪合戦!!」


堂々と胸を張って言う沖田に5人はあっけにとられたように見ている。
対する沖田は自信満々に説明を始めた。


「とりあえず基本的なルールは普通の雪合戦です。でも、2回当てられたらその時点でその人は死にます!」

「そ、そんなはっきりと死にますって・・・」

「遊びとはいえ、発言が怖いよな」

「最後まで勝ち残った人が勝者です!」


しかし、斎藤はその提案に渋い顔をする。


「そのような練習をするならば、普通の練習をしたほうが有意義だろう」

「外にずっといたら、風邪引くと思いますよ?」


千鶴も控えめに反対意見を出す。おそらく、自分も付き合って外にいるのが嫌なのだろう。


「一君ならそういうと思ったよ。土方先生もあんまり良くは思ってなさそうだしね。でも、僕にはもう一つ提案があるんだよね。千鶴ちゃん以外はちょっと集まって」


沖田はそういって、剣道部部員を中庭の隅に集めた。5人で輪になってその中央に立った沖田は小声で4人に言った。
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