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薄桜鬼-短編-

第4章 バトルロワイヤル雪合戦


剣道部の顧問の土方は、練習の様子を見ようと部室に向かった。

今日は朝から雪が降っていて、少し外に出るのも上着が欠かせない。
雪は、積もっていて、昼休みに学校の連中が外に出て雪で遊んでいるのを見かけた。



このクソ寒い中、練習をしている部員を労ってやろうと剣道部の練習場を見ると、誰もいない。

しかし、その横の中庭から生徒達の歓声が聞こえる。中庭は日当たりが良くて生徒には人気の場所だが、放課後には剣道部の声がうるさい(土方の怒鳴り声がうるさい)ので、あまり生徒は近寄ろうとしない。

不審に思い、中庭を覗くと・・・・
そこには、剣道部員の沖田、藤堂と、マネージャーの雪村の姿があった。

沖田と藤堂は雪球の投げ合っていて、雪村はその横で二人を止めようとしていた。


「二人とも!土方先生が来る前にやめたほうがいいですよ!また、怒られちゃいますよ!」

「いいって!いいって!どうせまだ来ないし。せっかく雪が積もってるのに、遊ばないのはもったいないだろ!」

「そうだね。平助なんかじゃ相手にならないけど、雪合戦は雪が降ったときだけの遊びなんだから。千鶴ちゃんもやる?」


「てめぇら・・・。一回殴られないと、わからねぇらしいな・・・」

「げっ!土方さん・・・」


土方が怒気の混じった声で話しながら近づくと、藤堂はあからさまに嫌な顔をして後ずさった。


「斎藤はどうした」

「僕らが雪で濡れて寒いって行ったら、タオルを取りに行ってくれました」

「何て言って、取りに行かせたんだ?」

「『雪玉を投げあって、反射神経を鍛える練習をしていたら、熱中しすぎて濡れたからタオル取ってきてくれない』って言いました。相変わらず、一君は単純だよね」


沖田は小馬鹿にしたようにため息をつきながら言った。


「帰ってきたら、ちゃんと謝っておけ。
原田はどうした。先に行くといっていたが」

「僕と平助が雪玉を集中砲火させたら、ビショビショになっちゃったので、着替えに行ってます」

「ってことはあいつも遊んでたのか・・・」
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