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【黒子のバスケ】それはいっそ悪夢のよう【緑間真太郎】

第3章 日常の終わりは目の前まで訪れていた


可笑しいな…今日のおは朝の占いは確か6位で良くも悪くもなかった
ラッキーアイテムのマトリョシカも用意していたので運の補正もされていたはずなのだよ

トラックがだんだんと自分に差し迫ってくる中、俺の脳裏では今朝のおは朝の放送が流れてきた

ー今日の6位は蟹座のあなた!

『緑間!!!』

ー出先で大きなトラブルに見舞われてしまうかも!

「要?」

ーでも大丈夫!ラッキーアイテムマトリョシカがあれば

ー救世主が現れて貴方を救ってくれるでしょう










…何が起こったのだよ…

「誰かぁ!!救急車!人が轢かれたぞ!」

「きゃあぁぁぁ!!」

トラックは何かにぶつかる鈍い音を立てそのままそのぶつかったものを引き摺るように数メートル走行し、やっとその動きを止めた

「…無事なのだよ」

死を覚悟していたはずが俺の体はトラックにぶつかった衝撃も痛みも訪れなかった

幸い近くに落ちていた眼鏡を手繰り寄せ掛け直す
両手を開いたり閉じたり、腕や足を見てもかすり傷意外目立った外傷は無い
だがしかし事故を目撃した面々は悲鳴をあげながらトラックの方を食い入るように眺めていた

するとトラックの下から何か赤いドロっとした液体が流れているのが見える

それが何なのか気なった俺は、ふらつく足に力を込め立ち上がりトラックまで歩み寄った

「足?」

トラックのフロントまで行くとトラックの下から人の足が見える
未だ上手く働かない思考のままその足を引っ張るとトラックの下から見知った少女が現れた

「要?」

何故お前がそんな所にいるのだよ

「要、要」

取り留めなく要から流れる赤い液体
に手が汚れるのも忘れ彼女の体を揺すった

『ん…み…どま』

すると彼女の目がゆっくりと開く
要は覗き込む俺に焦点が合うと嬉しそうに笑みを浮かべた

『よか…緑間…無事だったんだな』

「ああ…無事なのだよ」

俺がそう答えると要は血に濡れた手で俺の頬を優しく触れた

『わりーな緑間…も…バ…スケ一緒にできねわ…』

何を言ってるんだ?

どうしたのだよ…

『た…かおに謝っといて』

そんなの自分で言え…

『み…ど…き』

最後の言葉は聞き取れなかった

一筋の涙を流しながら彼女の腕は力なく崩れ落ちた




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