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【黒子のバスケ】それはいっそ悪夢のよう【緑間真太郎】

第3章 日常の終わりは目の前まで訪れていた


中学時代は女バス界で名を馳せていた彼女
女子の平均以上ある身長は俺とはそんなに変わらない
だけどやっぱり女の子だから華奢な身体つきと城ちゃんが女の子と象徴づけるようなキレイな長い髪

それと…

『高尾!!帰ったら1対1相手してよ』

向けられた全ての人を魅了してしまうキラキラ輝いた彼女の笑顔

本当は全部自分の物にしてしまいたかった

「りょーかいでっすw負けた方がジュース奢りな」

『良いよ!ぜってー負けねー』

「あはwんな事言って今んトコ25勝13敗で俺の勝ち越しだかんな?城ちゃん」

『次は勝つもん!あっ!笑ってんじゃねーよ緑間!!』

「フ…フン…威勢ばっかり良くて呆れてるだけなのだよ」

でも今の距離が心地よくて

並び立つ2人がすごく自然でお似合いだから

俺は今までもこれからもずっと2人の一歩後ろを歩くんだ

ー高尾side終了


秀徳高校バスケ部御用達のスポーツ用品店はこの大きな交差点の反対側にある
世間では夏休み真っ只中という事で学生らしき人々が賑やかしく
信号を待っていた

俺と高尾と要もその信号待ちの先頭で青になるのを待っている

『そうだ!中谷監督が帰りにコンビニでアイス買ってきて良いってお金くれたんだー』


「マジで!ヤッター城ちゃん俺と○ピコ半分こしよーぜw」

隣では要と高尾がまるで女子同士のように話を弾ませている
要は高尾とは特に機嫌を損ねる事もなく楽しそうに会話する…と言うか俺以外の奴と言った方が良いか…

この俺の難儀な性格も考えものだな
高尾がよく俺に言うツンデレというものが若干分かったような気がする



そんな事を珍しく考えているのがいけなかったのか…


ドンッ!と背後からの突然の衝撃に咄嗟に反応できなかった俺は
そのままつんのめるように道路に飛び出してしまった

「っ…!!!」

人間その瞬間というものはスローモーションで見えるのだな

道路に飛び出した瞬間けたたましいクラクションが耳に響いてきた

顔をそちらに向けると大型トラックが急ブレーキをかけながら俺に向かって走ってくる

「真ちゃん!!!」

高尾の酷く焦った声、信号待ちをしていた人々の叫び声も聞こえてきた

ああ…俺は死んでしまうのか

何故か素直に諦めがついてしまった



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