【黒子のバスケ】それはいっそ悪夢のよう【緑間真太郎】
第4章 1度目は僅かな希望に縋り
それからどちらとも話すことも無くクラスまで辿り着く
要とは席は離れていた為俺達は教室の扉の前で別れた
教室ではいきなり長身の俺と要が現れたからか少しざわついている←今日のラッキーアイテムはセロハンテープの為目立っていないはずだ
しかし前の時から自分のことには無頓着そうな要はそのざわつきに少し首を傾げただけであまり気にする様子も見せず席に着いたようだ
それを見届けてから俺も席へと着いた
着々とクラスメートになる奴らが席に着く中、なかなか高尾の姿が確認出来ない
そもそも、前はどうやって知り合いになったのだろうか
すると後ろから「げっ…」と小さいが聞き慣れた男の声がした
そちらを振り返ると先刻まで自分が考えていた人物の姿を捉える事ができた
…良かった。居たのだよ
しかし、やはりと言っていいのか見た限りでは高尾も前の記憶がなさそうだ
「分かってはいたが…」
何処か彼奴に頼りたかった自分がいるようで急に心細さが襲ってきた
情けないのだよ
そもそも彼奴は関係無い
…それに
何かと要に構っていた高尾の事だ…すぐ2人は仲良くなるであろう
◇
入学式も終わり、まだ部活のない新入生は下校する時間となった
しかしスポーツ推薦で入学した俺は今日から部活に参加する事となっている
準備して席を立ち上がると『緑間〜』と俺の元に要が歩み寄って来た
「…なんだ?」
『今から行くんだろ?バスケ部。私もマネやりたくてさ、今日見学しよーと思ってんだ。良かったら一緒に行こうぜ』
「別に良いのだよ」
やり!ありがとな!と笑う要に自分の顔が急速に赤くなっていくのが分かった
ー城ちゃん、笑うとちょー可愛いんだぜw
いつの頃か何故か自慢気に高尾がそう言ってきた事があったが
今ならそれに頷く事ができそうだ
『やー、入学早々オンナトモダチできるか不安になってきたぜー。だってみんな女の子女の子してて可愛いんだもん。こんな私とは合わなさそうだぜ』
体育館までの道程を要と2人で歩く
「まだ始まったばかりなのだから分からんだろう?」
『そーかな。中学の時も私ちょっと浮いててさ、仲の良い友達とかできた事無いから…』
何気ない日常会話のように話す要