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【黒子のバスケ】それはいっそ悪夢のよう【緑間真太郎】

第4章 1度目は僅かな希望に縋り


確かに入学当初俺と要は何かとクラスで浮いた存在となっていた
俺は特に気にはしていなかったが…もしかしたらこいつは違ったのかもしれない

…まぁ、そんな俺らとクラスメートの橋渡しをしていたのが高尾なのだが…

高尾の働きによって夏頃には背が高くて近寄り難いと言われていた要も話すと良い子、笑うと天使などと言われ女子に人気になっていた

そう言えば高尾も体育館に行くのだろうか?
俺の思考が今日何度目かの前の記憶を紐解こうとした時

「よう!緑間真太郎クンと要城月ちゃん」

後ろから誰かに話しかけられた…いや誰かなんて言いかた白々しいな。高尾に話しかけられた

「俺、高尾和成ってんだ。バスケ部入んだろ?よろしくな!」

高尾は俺と要に人の良さそうな笑みを浮かべる
だがそこで俺は些か困ってしまった

…なんて返事すれば良いのだよ

前は全くの初対面だった。しかし今回は一方的にこいつのことを知っている
馬鹿な要なら特に注意する必要は無いがこいつは違う
何を考えているか分からなくなる時があるこの猛禽類のような眼光
ある意味赤司より食えない奴なのだよ

しかし俺が高尾にどのように接すればいい良いか考えている間に隣にいた要が口を開いた

『なんで私の名前知ってんだ?それに緑間も』

「いや、クラス一緒だし!それにバスケやってて知らねー奴の方が少ねーよ!」

ギャハハと要の疑問に何がおかしいのか笑いながら答える高尾
相変わらずこいつの笑いのツボが分からん
これは最後まで理解できなかった物の中の1つだ

「あり?それ何?」

すると今の今まで笑い声をあげていた高尾が俺の持っているセロハンテープを指差した

『ソレ、私も気になってたんだ』

横で要もセロハンテープに指差しながら俺を見上げ小首を傾げる
身長差がある為必然的に上目遣いになる訳で

再び赤くなりそうになった顔を咄嗟に背く事で回避する

『緑間ー?』

「ふーんw」

高尾…
ニヤつき過ぎだ

「今日のおは朝占いのラッキーアイテム、セロハンテープなのだよ」

「ブフォッ」

『おは朝?って高尾!?』

話題を変えたくてラッキーアイテムの事を話すと高尾は噴き出しながら床に崩れ落ちた
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