第3章 変わる日常
『…っはぁ、ハァ、ハァ』
きっ…つい
学校までの距離は、そう近くない。
中学までスポーツをやっていたといえど、体力は衰えている。
しかも、
気持ち悪い。
アップルパイが…アップルパイが…
調子乗ってシナモンなんてかけなければ…
アップルパイきてるよすぐそこまで…
その場でしゃがみこんだその時。
背後から、キキ-ッというブレーキ音が聞こえた。
「うおっ?!遥?!どうした?!顔色悪いぞ!?」
『日向くん…?』
「日向でいい!
とりあえず俺の後ろ乗れ!」
『うっぷ…ありがとう…』
「とーばーすーぞー!!!!」
日向は叫びながら物すごい勢いで自転車を漕ぐ。
事故らないか心配だ。
『お手柔らかにお願いします…』
「まっかせろー!安全第一だからなっ」
そう言ってますますペースを上げた。