第2章 気になるあのコ
「木兎さん廊下走らないでください」
「ごめん!あかーし!!」
このミミズクヘッドの人はボクトさんって言うのか
「え!!あかーしの彼女?!可愛いなー!!!」
赤葦と2人でいた私のことを勝手に彼女だと思ったのか私をまじまじと見つめる
「木兎さんやめてください。佐賀美が困ってるでしょう…」
「おー!お前佐賀美っていうのかー!佐賀美って苗字だろ?下の名前は?」
ずいずいと迫ってくるボクトさんの目はキラキラしている。まるで新しい友達を作ろうとしてる小学生みたい
「木兎さん?」
「いえっさー…」
赤葦はドス暗いオーラをかもし出してボクトさんを払う
さすがにこの顔で言われたら従う以外の選択肢はないだろう…さすが梟谷組の末裔…
「木兎さんは先に体育館に行っててください。俺もすぐに行くんで」
「わーったよー…俺、赤葦迎えに来た意味ねーじゃんー」
ボクトさんはブーブーとふてくされながら教室を出て行った
「ウチの先輩がごめんね」
『大丈夫だよ。ちょっと困ったけど』
「今度あの人に会っちゃったら適当に相づち打っとけばいいから」
『扱い雑だね』
「そうでもしないと面倒くさいからね」
すると赤葦は席から立って手には何かを持っていた
多分赤葦の用だった忘れ物
「じゃあ俺は行くから」