第2章 気になるあのコ
『待って…!』
「…?」
あれ、なんで引き止めちゃったんだろう
体が勝手に動く。脳が追いつかない。
『私で良かったら話、聞くよ』
「え…」
『同じ境遇みたいだし…暗い顔隠せてないよ』
なに言ってるんだろう、赤葦が私と似ているからほっとけなかったのかな。
これは本能なのかな。
「そんなこと言ってくれる人初めてだな」
『あ、いや、ごめん…』
「なんで謝るの。お言葉に甘えて話聞いてもらおうかな?」
ニヤッと口角を上げた彼は妖美でゾクッと背中が身震いをした
「でも今日は部活だし日曜日、○○駅の東出口で待ってるよ」
気をつけてね、と言葉を残して赤葦は教室を出た
1人残された教室は静けさを取り戻し耳を澄ませば部活生の声が微かに聞こえてくる
あーなにやってるんだろう
たかが同じような家庭で育ったからってガッつきすぎたかな…
さっき話しているところ見られていたらどうしよう
赤葦ってモテるからファンの子に集団アンチとかされたら…
『私のバカ』