第4章 日向と日陰
「俺の写真…?」
そこにはホコリのかぶった写真が一枚あった。
まだ赤ちゃんの頃の俺と女の人
ものすごく俺に似ている。顔立ちがそっくりで黒髪の凛とした女の人
もしかして…この人が俺のお母さん…?
でも、ここは物置って感じの部屋だし…
子供との思い出をこんなホコリっぽい部屋に置くか?
それより…俺、お母さんに会ったことないよな…
もう12歳なのに?
おかしくないか?
お母さんはどこ?いるの?
急にドス黒い何かが湧き上がってくる
「京治ー!!!!おーい!!!!」
扉の向こうからお父さんの声が聞こえる
「京治ー!!こかかー?」
扉が開きお父さんが俺の顔を見てどことなく安心したような顔になった
「探したんだぞ…お前の部屋行ったらいなくて」
「ごめんなさい」
「いや、無事ならいいんだ……っ!」
「…?」
お父さんは俺の手元を見て呆然としてる
「京治…その写真…」
「この人が俺のお母さんなの?」
「あ、ああ…そうだよ。綺麗な人だろ?」
「どこにいるの。」
お父さんの言葉を無視して質問する。
俺に隠し事しないでよ
不安になる。
「え?」
「お母さんはどこにいるの」
「お母さんは…仕事で…」
そんな嘘いらないから
俺もうそんな易い嘘引っかからないんだよ
ジッとお父さんの目を見つめる
「京治…」