第2章 With Ray(レイ)
「お前ねっ....」
「.....あれ、手、出さなかったんですか?」
後から現れたエドガーに、ヨナが不愉快全開で突っかかると、アリスが綺麗にベッドに横にされているのを見て、エドガーはキョトンとして言った。
「俺がアリスにはしたない姿で逝かせるわけないだろう。それより、花咲か野郎にあっさり見つかるだなんてお前は何考えて...」
スッ
ヨナが言いかけた瞬間、シリウスがギラリと剣をエドガーの首にあてた。
そして、眼を細めたシリウスの瞳がエドガーを睨む。
「...敵の兵舎で仲違いとはいい度胸だな。」
「別に仲違いなんてしてませんよ。ねぇ、ヨナさん?」
「....っ」
取り乱す様子もなく、淡々と答えるエドガーに、急に話をフられたヨナは、不服そうに言葉を詰まらす。
「二対一では、流石の黒のクイーンでも分が悪いのでは?」
スッと、視線だけシリウスを見据えたエドガーが、微笑して言った。