• テキストサイズ

《イケメン革命》.Alice. 《夢小説》

第2章 With Ray(レイ) 




「俺はここで待ちます、ヨナさん。」

途中、草むらで突然足を止めたエドガーが言う。それに、不審そうに振り返ったヨナが尋ねた。


「.....何さ、ビビったの?」
「違いますよ。気をつかってるんじゃないですか。アリスの最期の時をそんなにすぐに終わらせてもいいんですか?」


意味がわからないヨナはますます怪訝そうに眉をひそめる。


「....アリスの為にも、辛くないように怖くないように、素早く天国に送ってあげた方がいいでしょ。」
「これで本当にもう会えなくなるんですよ?何か特別なことはしたくないんですか?......愛してるんでしょ?」

エドガーの言葉に、ヨナはバッと顔が熱くなった。


「な、なに言ってんの!?」
「あんまりここで立往生すると、黒の兵に見つかるリスクが高まります。ヨナさん、早く行ってください。」


ようやくエドガーの意図を組んで戸惑うヨナに、エドガーが促すと、ヨナはたじろぎながら歩を進めた。


そして、照れたように言い捨てる。


「人に気を使うなんてお前らしくないけど、今回だけはお礼を言ってあげるよ。...ありがとう。」


そう言って、足早に黒の兵舎に侵入して行くヨナの背中が小さくなるのを、眩しそうに目を細めてエドガーは見送った。


「....全く、失礼な上司ですね。........アリスと楽しい最期のひと時を、ヨナさん。」


そしてクスリと笑って独りごちた。


/ 194ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp