第2章 With Ray(レイ)
「途中で絆されて、殺し損ねても困りますからね。そうなった場合、俺がアリスの息の根を止めます。」
恐ろしいことを穏やかな口調で述べるエドガーに、ヨナはギョッとしつつもキッと睨み返す。
「必要ないよ。アリスは俺の手で苦しませずに送ってあげるんだから。」
「そうなることを俺も心から祈っています。」
「お前が言うと嘘くさいよ。」
「アリスの為にも、お互いの武功の為にも頑張りましょうね、ヨナさん。」
笑顔で言うエドガーに、呆れたようにヨナは息を吐くと、忍び足でエドガーと共に黒の兵舎に近づいた。