第2章 With Ray(レイ)
「....異論は認めねーって言っただろ、フェンリル。」
不服そうだったが、大人しく部屋を後にしたセスとルカをよそに、フェンリルはレイと話す機会をうかがっていたかのように部屋に残っていた。
「別に異論なんてねーよ。」
「じゃ、なんだよ?」
腰に手を当て、フゥと大きく溜息を吐いたフェンリルは言った。
「....いくつかあんだけど、取り敢えず、"そーゆーこと"やるときは、部屋の鍵閉めようぜ、相棒。」
「?」
一瞬、フェンリルの言葉の意味がわからなかったレイだが、やがてみふみふ顔が上気した。
「お前.....っまさか昨日の見て.....!?」
「たまたまだぜ。ホントたまたま。トイレに行ったら、明かりがついてて気になったんだよ。だから鍵閉めろって、相棒。」
顔を赤らめたレイは、顔を手で隠すとやれやれと頭を振った。