第2章 With Ray(レイ）　

が、やはり堪らなくなったセスが最後の猛抗議に入る。

「だってアイツよアイツっ！あの美人ってだけで、心の芯から性根の腐った男よ!!?」
「ランスロットよりはマシだろ。会談の時もちゃんとアリスを助けようともしてたし。それにアリスだってヨナのことを.....」

憤慨するセスに、冷静にレイが説明するが、途中で言葉に詰まると苦しそうに目を伏せた。

黙って見ていたフェンリルがそれに顔を歪める。


「.....とにかく、これはもう決定事項だ。異論は認めない。」

感情が湧き上がるのをなんとか抑えて、レイは気を取り直すと言い放ち、席を立った。


「わかったら、お前ら仕事に戻れ。」