第2章 With Ray(レイ)
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「アリスちゃんを赤のクイーンに渡す⁉︎」
「…ああ。」
翌朝、談話室に幹部たちを集めたレイは、昨晩下した決断を話す。
「なにそれ、クレイジーよっ!今何が行われるかわかってるでしょう!?」
「アリス狩りについてはちゃんとわかってる。....取り敢えず落ち着け、セス。」
思わず立ち上がったセスに、レイが厳しい目で忠告する。
「アリスは?」
「おっさんとセントラルに買い出しに行かせた。」
「...アリス狩りが行われているのに...か?」
周りをキョロキョロと見回したルカが、アリスの不在について尋ねると、レイが淡々と答えた。それに、フェンリルが顔を顰めて尋ねる。
「セントラルに地区は一応中立の立場だし、黒の軍はアリスを狙ってるわけじゃねーから。」
「でも...大丈夫なの?」
「その為におっさんが一緒にいるんだろ。....とにかく、この話はアイツに聞かれないようにしたかったんだ。」
レイの真剣な表情に、幹部のメンバーの視線が集まる。全員の顔を見据えたレイはゆっくり言葉を紡ぐ。