第2章 With Ray(レイ）　

「...さっき、赤のクイーンにアリスを返すって言ったけど、正確にはヨナに返す。」
「...同じじゃない？」
「違う。今頃、“元”赤のクイーンは、反逆罪に問われているはずだ。」
「!!!」

全員が、ハッと目を見開いた。

ヨナは一度ランスロットの命令に背いている。赤の軍に忠誠は絶対だ。あれが見逃されているとは考えにくい。


「そういえば...そのはずね。」
「アリスをこれ以上黒の軍で匿うことはできない。かといって、赤の軍に渡せばアリスの身が危ない。アリスが次の満月に元の世界に帰るには、中立の立場の奴の庇護が必要だ。」
「中立...？...ブランとオリヴァーとかか？」
「....中立の立場でさらに、アイツを"守れる"やつでないとダメだ。」


質問するメンバーに、レイは指を組んでジッと一点を見つめて答えた。