第2章 With Ray(レイ)
「ぁ…っ」
「……っ」
思わず熱く切なげな声がアリスの口から漏れて、レイは苦しそうに顔を歪めた。
「なんでお前は…アイツがいるのに俺にこんなになるわけ?」
「だからヨナとは別に…」
「…っ誰でもいいってこと?」
言ったレイは誰よりも苦しそうに言葉を吐いた。
その姿にどうしていいかわからず、アリスの目尻から涙が落ちる。
なんでお前が泣くんだよ.....どうしていいかわからなくなるだろ....
それを見たレイは、降参したようにフゥとため息をつき、自分の袖でアリスの涙を拭った。