第2章 With Ray(レイ)
「…成る程。お前確かにアイツと同じ匂いするな。」
「…っ!」
ハッとしたようにアリスが目を見開く。レイはアリスから身を離すと、残念そうに呟いた。
「……なんでお前はアイツと付き合ってんのに俺にこんなことされてんの?」
「ちが…っ」
「違わねーだろ。」
堪忍袋の緒が切れたように、怒りを顕にしたレイは強い口調で言う。アリスは涙目になって真っ赤な顔をしてレイを見つめている。
…っ……なんなんだよっ。なんでそんな顔するんだよっ…
それはどういう意味なんだよ....っ
切なげにレイを見るアリスはこんな状況でも色っぽい。自分に組み敷かれ、淫らになった姿を見ると堪らない。
それなのに一体何なんだ。わけのわからない感情に襲われて、レイは苛立ちを抑えるように頭を掻きむしった。