第2章 With Ray(レイ)
普段は感情の起伏が少ないレイの、初めて感情を顕にする姿にアリスは言葉を失っていた。
「....レイ?」
「お前、籠絡なんてされないって言ってただろ...っ」
レイが積み重なった気持ちをぶつけるが、アリスには意味がわからない。
「な、何を怒ってるの?」
「....別に」
全く意味を理解できないアリスに、レイの胸の奥がチクリと痛む。落胆しつつも、思わず怒鳴ってしまった自分を落ち着かせようと、レイは声色だけでも平静を装いアリスから離れる。
訝しがりながら起き上がったアリスの衣服は、レイが先程押し倒した時に乱れ、アリスの華奢な鎖骨や白い太ももが露わになった。
その無意識にも妖艶なアリスの姿に、レイはゴクリと息を飲むが、変な気が湧く前にとすぐに視線を外して立ち上がった。