第2章 With Ray(レイ)
エドガーの唐突な発言に、ヨナは耳まで真っ赤にした。
「はっ!? べ、べつにそんなんじゃないっ」
否定するヨナに、エドガーはクスクス笑って見せるだけだ。
「エドガー! お前はこれ以上俺を愚弄する気!?」
「愚弄だなんてとんでもない。俺は正直感心してるんですよ。冷徹といわれた貴方が、そこまで誰かを深く愛すなんて。」
「違うって言ってるでしょっ!」
「...でも、だったらますますアリスのためにも貴方はアリスを殺すべきです。」
トマトのように赤くなって突っかかるヨナだったが、突如笑みを消して真顔になったエドガーに、ヨナの顔も怪訝に歪む。
「....お前、さっきの言葉を聞いていなかったの?あの子を殺すだなんて言ったら、その首掻っ切るって言っただろ?」
「...わかりました。でも俺の話も聞いて下さい。それを聞いてもなお、同じ考えなら、俺は首を切られても構いませんよ。」
エドガーを疑うように見つめたヨナだったが、その目にただならぬ覚悟を見て、ヨナは静かに頷いた。