第2章 With Ray(レイ)
エドガーは腰のサーベルを外して投げると、参ったといったように両手を上げてみせた。
ヨナは警戒を緩めることなく、目を細めると続けた。
「ブーツの中と、内ポケットの中。」
「ただの短刀と手榴弾しか入ってませんよ。サーベルを持った貴方にはどう足掻いても勝てません。」
言うと、ヨナは不服そうだが、エドガーの首からサーベルを引いた。
「....さっきの失言、今度したら本当に首を落とすからね。」
サーベルをしまうヨナを、エドガーは眩しそうに見てポツリと呟いた。
「....本当に好きなんですねぇ、アリスのこと...」