第2章 With Ray(レイ)
「...お前...っ」
「そんなに睨まないで下さい。いいこと教えに来たんですから。」
血走った目で睨むヨナに、屈んだエドガーが落ちていたヨナの軍帽を拾って渡す。それを礼もなく奪うようにして取ったヨナに、エドガーはいつもの調子が戻ったと安心したように微笑んだ。
「...俺としては、ランスロット様はヨナさんのことを想ってああいう命令を下したと思うんですよね。」
話を戻して、エドガーは自分がここに来た理由を話し出す。
「...何を言ってるんだ。」
「わかりませんか、ヨナさん。アリスはもともと外の世界の人間です。彼女にとってクレイドルは、赤の軍に付いても黒の軍に付いても危険な世界...。つまり、どこにいようと危ないわけです。」
「でも...」
「今、アリスは黒の軍に匿われましたが、身の安全に保証などありません。野蛮な連中ですしね。それに、黒のキングはアリスを守るみたいなこと言ってましたが、あれだって道具として利用する口実かもしれませんよ?」
「....」