第2章 With Ray(レイ)
-------------
レイの腕に抱き抱えられたアリスは、恐る恐る自分の命の恩人の顔を見上げる。
「ありがと...レイ。」
「ん...」
安全なところまで来たところで、レイはアリスを下ろすと、安心させるように軽く微笑んだ。
(させない。こいつは俺のものだ。)
アリスの鼓動は、さっきのレイの発言のせいでまだ早い。熱くなった頬が恥ずかしくて、冷まそうとブンブン頭を振る。
「何やってんの、お前。」
今度は可笑しそうにレイが笑う。つられてアリスも笑顔になって、二人で無邪気に笑えば、先程までの緊張が和らいだ。
暫くの間、レイと二人きり、セントラル地区の目立たない裏通りで残りの黒のメンバーが合流するのを待つが、その間、アリスはレイのさっきの言葉について聞き返さなかった。
レイも、特にそれについては言及しなかった。
成る程、あれは作戦だったんだ。ヨナを動揺させて隙を作るための嘘だったんだ。そう考えたアリスの胸はズシリと重くなる。