第2章 With Ray(レイ)
ヨナはレイの方に向き直ると、個人的な感情もあってか、レイの背中に隠れたアリスを見ると敵意を剥き出しにした。
凛々しい顔つきになったレイは、黒の幹部に呼びかける。
「黒の軍はこれよりアリスを守ってここから退散する!」
「させないよ...!」
アイアイサーと黒の軍が背後で答えると同時に、目をギラギラさせたヨナがサーベルを引き抜く。
「逃すな、ヨナ!」
「勿論です我が主!」
ランスロットの命令に答えたヨナは、レイめがけてサーベルを振り下ろす。レイは、アリスを守りつつ片手で剣で防いだ。
「アリスを返せ...っ黒のキング!」
怒りが滾ったヨナの目に、いつもの優美さはない。次から次へと降り注ぐ猛襲に、アリスを庇うレイは防戦一方だ。
「ヨナさん、援護します。」
エドガーの声が背後からしたと思って顔を上げると、ヨナとエドガーに囲まれている構図に気がつく。