第2章 With Ray(レイ)
「クレイドルに住む者にとって、クレイドルの安全が第一。それは赤でも黒でも変わらん。....お前は個人的な感情で軍を動かすというのか?」
「....それでも、無罪の女の子を追い詰めるのは違うだろ。」
「無罪...?何のことだか。」
厳しい言葉を重ねるランスロットに対し、頑なにレイがアリスを守ると主張したことで、幾分か強張っていたアリスの力が抜けた。
大丈夫だ。俺がいるから大丈夫----。
そう言ってやろうとアリスの方を見ようとした瞬間、首にヒヤリとした感覚を感じた。
キラリ
金属の冷たさと反射する眩い光を感じた。
見れば、腕にアリスがいることもあって、素早くは避け損ねたレイの首に、ヨナの鋭いサーベルがあてがわれいた。
当然、その刹那、両軍の幹部も動いて、緊張がまた一気に高まる。