第2章 With Ray(レイ)
バタバタバタバタ遠くから響いてきた、二人分の足音が近づいて、赤のクイーンとアリスが息を切らして姿を現わす。
皆、其方の方に視線が釘付けになるが、どうやら何か様子がおかしい。
顔面蒼白になった赤のクイーンを、ランスロットは目を細めて見るだけで何も言おうとしない。
暫しの沈黙の後、赤のジャックが、口を開いた。
「....ヨナさん?どうしました、その格好は?」
キョトンとするエドガーの反応も無理はない。ヨナの制服は何故か泥だらけな上に、何故か酷くショックを受けたような表情を浮かべたヨナは、息も荒い。アリスも同様だ。まるで二人して幽霊でも見たかのようであった。
「ランスロット様、お聞きしたいことがありますっ...」
エドガーの質問を無視して、ヨナがランスロットに詰め寄る。