第2章 With Ray(レイ)
レイは、パチクリ、と2、3度瞬きすると、やっと周囲の状況を把握した。
まだ到着していないのは、赤のクイーンとアリスだけである。
割とキッチリした性格の赤のクイーンが付いていてどういうことだ?何かまずいことでもあったのでは、とレイの頭を不安な思考が過ぎる。
そうやってレイが訝しがり始めた様子を、面白そうに見ていた赤のジャックが突然口を開く。
「二人とも遅いですね。.....もしかして、デートが楽し過ぎて会談のこと忘れちゃったんですかねぇ?」
レイの方を見てクスリと笑いかけるエドガーの言葉には、どこか毒がある。傍で聞いていたランスロットは、エドガーの発言にはノーコメントで、ただ目を瞑っているだけだ。