第2章 With Ray(レイ)
それから、見知った人物には誰ともすれ違うことなく買い物を済ませたレイとフェンリルは、日が傾きかけたのを見て、会談が開かれるガーデンでへと足を進めた。
会場には、もう両軍のほとんど幹部メンバーが揃っていて、あのランスロットも着席済みである。レイがちらと其方を見遣ればランスロットと目が合った。
「...そう睨んでくれるな、黒のキングよ。」
「別に睨んでない。」
言い返せば、反射的にあの喧しい赤のクイーンが突っかかってくることを予期したが、何も返ってこない。
赤のキングの隣、赤のクイーンの席は空席であった。