第2章 With Ray(レイ)
数日を経て、ヤキモキする黒のメンバーをよそに、レイとアリスの関係に変わったと思しき部分はないまま、アリスの提案により、ガーデンで赤と黒の軍の会談が開かれることが決定する。
早目に兵舎を後にした、レイとフェンリルは、二人でセントラル地区の繁華街へと繰り出す。
「まだ、会談までに時間あるし、二人で買い物でもすっか。」
「お前とデートってこと?なんかやだな。」
「言ったな、相棒〜!」
その時、戯れる二人の目の前を目立つ赤の軍服と、見知った彼女が横切った。
ヨナとアリスだ。
言葉を失うレイとフェンリルだったが、あちらは人ごみに紛れてこちらに気がついた様子はない。しかし、其々の軍の思惑でデートしているはずの二人は笑顔で、仲睦まじいように見える。まるで....
「....まるで、本当に付き合ってるみたいだな。」
ボソリと呟いたフェンリルの言葉に、心を見透かされているようで、レイの心臓がどくりと跳ねた。