第2章 With Ray(レイ)
「...赤のクイーンが本気でアリスを好きだってこと?」
「間違いなく。」
ジッとセスの目を捉えるルカは、真剣だ。それは例の赤のクイーンを彷彿とさせるような、火花が散っているような瞳。
「...なんか、ホントよく似てるわね。」
「え?」
「何でもないわ。まぁ、ルカがそう言うなら、きっとそうなんでしょうね。」
目を細めて言ったセスに、キョトンとしたルカはいつものルカである。その様子にセスはふっと笑みを漏らしたかと思えば、再び顔をきりりとさせた。
「でも...だとしたら、余計にボスは止まってる場合じゃないわね。」
セスは顎に手を当て、真面目な面持ちで呟いた。