第2章 With Ray(レイ)
「お前らとりあえず自室に戻れ。」
気を取り直したレイがそう言うと、セスなど特にブツブツと言いながら一行は部屋を後にした。
パタンとドアが閉められた後、最後一人残ったレイの一番の友人は、さっきとは違う表情で腕を組んで立っていた。
「お前も。今日は休めよ。」
フェンリルのただならぬ様子に気がついたレイだったが、黒のキングとして淡々と言った。が...
「どうすんだよ。」
「?」
「このままだと取られちまうぜ?」
変わらない面持ちで答えた相棒の一言で、レイの胸がドキリとした。