第2章 With Ray(レイ)
「まぁ、アリスなら大丈夫だろう。」
「...! おっさん!」
「おっさんじゃないと言ってるだろうが。」
廊下で話を聞いていたのか、ガチャリと部屋の扉を開けて入ってきたシリアスがレイの反応に顔をしかめて応対した。
「心配しなくてもアリスなら、赤のクイーンに籠絡なんてされたりしないわ!」
「アリスは、いい子。」
シリウスに続き、わらわらと現れたセスとルカはソファに腰掛ける。話題が話題の為か、ルカは少し俯き加減に、不愉快そうに顔を伏せている。
「お前ら..やることあるでしょ?」
「やっだもー!ボスが恋焦がれて胸を痛めている時に、放っておけないじゃない☆」
「訓練、終わった。」
レイが呆れたように言うと、完全に目をキラキラさせたセスが楽しそうに答えた。隣で、ルカが訓練の終了の報告をする。
「俺も相棒がアリスを見つめる目が気になってたんだよなー。やっぱり赤のクイーンのやり方は気に入ってなかったかー。」
悪ノリするフェンリルの態度は、至って真剣だ。