第4章 With Luca(ルカ)
レイの名前が出た途端、アリスの目が困惑したように泳いだ。
「俺が、アリスとレイの間に入り込める可能性は、どのくらいあるの?」
「ま、待っ…」
「もし、少しでもあるのなら…」
ルカはアリスの指に、自分のものを絡めた。そして、組み敷いたアリスに、再び顔を近づける。
「…拒絶はしないんだね。」
「…ル」
「これも、イエスととったよ。」
戸惑っているものの、完全には拒絶しないアリスの言葉を遮り、ルカはアリスの顎を、クイと僅かに上方に傾けた。
「今は、レイのことは忘れて?」
ルカの情熱的な琥珀色の瞳に、視線を絡め取られて、アリスはルカから目を離せずにいた。そして、ゆっくりとアリスが腕の力を抜くと、ルカは優しく微笑んだ。
「こういうの、慣れてないし、よくわからないけど、」
ルカが少しはにかむ。
「きっとあなたを、気持ち良くさせるから。」