第4章 With Luca(ルカ)
来なさいよ、とばかりにルカを誘うセスの視線。心臓が嫌な感じで早鐘のように打つのに、ルカはその場を離れられない。
「....あらー、あの子来ないつもりかしら?アタシにも我慢の限界ってもんがあるのよ?」
「セスさん... ?」
誰もいないはずの、ドアの向こうを目を細めてみているセスを、訝しがるようにアリスが呟く。
アリスに向き直ったセスは、愉しそうに独り言のように囁いた。
「....食べないなら頂いちゃうわよ。」
そうセスが言って、首元のタイを緩めてアリスを押し倒そうとした瞬間.....
バタンッ
勢いよく部屋のドアが開いて、真っ赤な顔をしたルカが入って来た。