第4章 With Luca(ルカ)
(アリスに…触れるな!)
頭の奥で、反射的に響いた言葉に、ルカは自分で驚いた。
(何でこんなに、俺は怒ってるんだろう…?)
怒りと疑問で、ルカの頭はグチャグチャだ。兎に角、セスがアリスと仲良くしてると変な気持ちになるのだ。
固まるアリスをよそに、セスはドアの隙間に軽くウインクした。明らかに、ルカに向けられたものである。
「ちょっと時間がないから急がないとな。」
「え?」
独り言を呟いたセスは、アリスが抵抗する暇もないくらい素早く、アリスの腕を押さえて、ソファに押し倒した。
「ちょ…っ」
「あら、そんなに警戒しないで?ちょっとオネエさんと、楽しいことするだけよ?」
セスが抑えた腕を振りほどこうと、身じろぐアリスに、セスは再び高いオネエ声で答えた。
「ちょっと、セスさん…っ」
「ん…いい匂い…」
アリスの肩に顔を埋めたセスは、吸い付くようにアリスのうなじを攻めた。