第4章 With Luca(ルカ)
(あーあ、こんな風にドギマギしてるのは俺の方だけなのかな?)
残念なような、少しおかしいようなで、ルカがため息を吐いた。
それを見て、アリスが不思議そうに呟いた。
「そんな私、面白いかな?」
「うん...。」
ルカがくすりと笑って言うと、気に障ったのか、アリスが少しむくれた。
(表情がコロコロ変わるな....可愛い。)
ルカは内心、そんな風に感じたりしていたが、声に出さずにいると、アリスはますます口を尖らした。
(レイはこんな可愛い人を独り占めして....ずるいよ。)
ふと、説明の途中のまま、進んでいない隊列の構図に目をやってルカが考える。
(.....レイがいつもこういうのって、アリスに説明してるみたいだけど、どうやってしてるんだろ。)
(こんな姿のアリスと二人きりで部屋なんかにいたら、まともな説明なんて出来なさそう....。)
悶々と考えるルカの頭の中の事など、アリスは露ほども知らない。
(一応、用事で部屋を訪ねたけど、レイのいない夜中に別の男を招き入れるってどういうことか、少しはアリスは分かってるの...?)
無邪気に、そして無防備に、興味津々と言った様子で、資料を見つめるアリスを傍目に、ルカは一考する。