第4章 With Luca(ルカ)
「....俺じゃ、ダメだった?」
「へ?なんで?」
ルカの心配をよそに、アリスが素っ頓狂な声を出すものだから、調子が狂ってしまう。
「....何となく。」
「全然、嫌じゃないよ?寧ろ嬉しい!」
ルカがシュンとしたのを見てか、アリスが付け加える。
.....その言葉に、ルカは妙な勘違いをしてしまいそうになるのだけれど。
「嬉しい?」
「うん。...だって、その、いっつもレイが私にこういうこと言ってくれるのは、私がレイの恋人だからかなぁって、思ってたから。」
「......?」
「私、ずっと気にしてたの。私って魔法を弾き飛ばす力はあるけど、戦闘力はゼロだから、戦争になったらみんなの足手まといになるんじゃないかって。」
「あなたは、足手まといなんかじゃない。」
目を伏せて言うアリスを、ルカははっきりと見据えて強く言った。
「...ありがとう、ルカ。レイは私の恋人だから、気を使って、私に色々軍の中での役割をくれてるような気がしてたから、レイ以外の人からこういうこと話されると、やっと一人前に認められた気がして、嬉しいの。」
フッと笑みをこぼしたアリスが、あまりにも美しくてルカは反射的に目を逸らした。風呂上がりの妖艶な姿もあって、何気ないアリスの動作がいちいちルカの鼓動をうるさくした。
「...説明するから、聞いてて。」
声だけは平静を装い、ルカが話し始めた。